- TumblrのDavid Karp氏のスピーチ 書き起こし(1/4)
- TumblrのDavid Karp氏のスピーチ 書き起こし(2/4)
- TumblrのDavid Karp氏のスピーチ 書き起こし(4/4)
Who is yet to embrace online publishing?
プレゼンの後は色々とQ&Aを受けることがあって、皆さんの質問も後ほど受け付けますが、Tumblrが今後、日本を市場として捉える場合には知らなければいけないことが色々あると思います。せっかく皆さんのようなエキスパートにお集り頂いてますし、私からの質問にもぜひお答え下さいね。で、Tumblrをいわゆるオンラインパブリッシングとして見た時に、日本の業界とかコミュニティーからみて、どこが遅れているとか何が足りないとかいうことを知りたい、というのがまず1つです。
Where do Japan’s creators spend their time online?
例えば、何故こんな質問をするのかというと、アメリカでのオンラインパブリッシングの使い方とブラジルでの使い方はかなり違うんですよね。例えば皆さんの中に、「自分の業界で言うとオンラインパブリックが遅れてるなとか、積極的に活用されてないな」って思う人いますか?上の質問は、「日本のクリエーターはオンラインのどういう場所で活動してますか?」ってことです。
What are the emerging creative tools and networks?
例えばこの質問は、「現在クリエイティブなツールやネットワークとして何を使ってますか?」ってことです。例えばYouTubeなんかがアメリカでは自己表現のツールとして使われてるけど、日本ではどんなツールを使ってみんな自己表現をしてるんだろう?TumblrやInstagramがアメリカではそういう役割を新たに担い始めてるけど、日本にはどんなツールがあるのかに興味があります。
What are the emerging creative communities?
これは「新たなコミュニティーが出来てるかどうか?」ということです。どういう意味かというと、例えばブラジルでは保守的な音楽が非常に流行ってて、DJが積極的にTumblrなんかのツールを使ってコミュニティを作って人気を集めてますし、アメリカでは執筆活動のコミュニティがオンライン上で形成されて何やら盛んになっています。写真や動画の共有に付随して日本ではどんなコミュニティが流行ってるんでしょうか?
What tools are missing?
1つ世界規模で言えるのが、gifアニメのコミュニティが非常に沢山できていて、Tumblrにも非常に沢山あります。 じゃぁ、足りないものって何がありますか?何でもあるように見えるし、技術的には何でも揃ってるよう見えます。実際にコミュニケーションのツールとしては色々あるけど、自己表現をするクリエイティブなツールとして皆さんのニーズに応えられるものがどれだけあるのか、というところが僕らの出発点でもあります。なので、こんな質問をしてみました。
What is the current sentiment towards public creative expression?
この質問は、「一般の人に向けて自己表現をすることに対してどんな感情を抱かれる傾向があるか?」ということです。例えばアメリカではYouTubeに「自分はこんなことやったよ!」なんてことをアップしたりするけど、日本ではそういった表現って、どう受け入れられますか?「自分が良いと思ってることを共有したい!」とう願望は、人間の願望として世界共通だと思うんですが、日本の文化的な側面を踏まえた場合、自己表現に対する日本の文化的な許容っていうのはどの程度あるのかな?という質問です。
Who makes up the market for public expression?
自分が作ったものを共有したいとか、みんなに見て欲しいっていう気持ちは日本人にもあると信じてますけど、実際はどうなんでしょう。日本に来て初音ミクの話しを聞いたんですが、まじ萌え現象wミクたんは、日本の心だよね。魂の叫びってやつ?大和魂?みたいな?wwww
えーと、では、「(Tumblrの)一般人に向けたサービスのマーケットをいったい誰が作ってるのか?」ということを、2つに大別して説明します。1つは大きな夢を持って世界を目指す14才〜20才くらいの若い人達、もう1つは、初めて写真にふれそれを他人と共有したいと願うシニア世代。彼らが、自己表現をする場という私達のプラトフォームを支えてくれています。
Tumblrのビジネスモデルは?ってどうせ聞かれるだろうからぶっちゃけますが、Tumblrは160億PVあるので、効率的に広告配信をして10¢/cpm(表示1,000回につき10セント)と考えてるのが、まず1つ。グーグルアドセンスと比べても、これくらいの数字でうまく載せていけるんじゃないかと思う。これはまぁ、僕らに取ってあんまり重要なモデルじゃないけど。で、これだけのトラフィックがあるわけだから、それに付加価値を付けて皆さんの創作活動に役立つ形になるように、次のような収益化を考えました。
1つはマーケットプレイスというモデル。例えばスマホだとアプリを購入するという方法があるけど、そんな感じの仕組みです。これだったらAppleにも開発者にもきちんとお金が還元されるし、ユーザーもそんなに高くない金額で使い勝手の良いアプリが手に入るという、非常に優れたビジネスモデルだと思う。今は、複数の形でこれを実現する為の交渉をしている段階です。無料のテンプレートもあるけど、非常に美しかったりめっちゃカスタムできたりする有料のテンプレートを1000円くらいから販売して、ユーザーは他の人と全く違った独自のレイアウトを手に入れられるわけです。Tumblrもテンプレの作成者もある程度の収入を得られてます。ユーザーには他とは比べようのないほどのカスタマイズ性を提供しています。
2つ目はプロモーションです。もちろんiAdの広告やアドセンスの広告や企画ものの広告を表示させるのは簡単ですですが、そういうものではなくて、ユーザーの投稿自体をプロモーションします。(ちなみに1$〜)これによって、急速にいわゆるオーディエンスを構築したい人や認知度をすぐに上げたい人が、それほど高いお金を払わなくても自分のオーディエンスを形成出来るという仕組みで、これだとコカコーラにページを作ってもらって云々ということよりも、もっと面白いことができると思うんです。