乳がん検診でひっかかって検査して、結局、現段階では癌という診断がでなかった人は沢山いると思うけど、癌じゃないしこりってどんなもの?

ってことで、病院でもらった資料をここに転記しておく。

乳腺のう胞

乳腺のう胞ちは乳腺内に液体が袋状に貯まった状態です。基本的には両性の変化で乳腺症の範疇に含まれます。(私の担当医は水たまりって表現してた)

原因
乳腺のう胞の出現には卵巣ホルモンの働きが関与しています。乳腺の基本構造である乳管―小葉構造のうちの小葉に変化がおき、小葉ないの腺房が拡張して小さなのう胞となり、それが元になって大きなのう胞が形成されます。40代から50代前半の方にしばしば認め、正常な人でも小さなのう胞は60%の方に、1cm以上ののう胞は20%の方に見られるといわれています。

症状
のう胞は大きくなると丸いしこりとして触れ、圧痛を伴うこともあります。

検査
のう胞の存在自体にはさとど病的意味はありません。しかし、乳がんが原因でのう胞が出来ることがあるので、乳房撮影・超音波、必要であれば細胞診などの検査を行います。

治療
のう胞が将来乳がんに移行することはなく、1年に1回地域や会社などで検診を受けることで十分
と考えられます。

線維腺腫

良性の乳腺腫瘍です。10代後半から30代の女性に多く発祥しますが50代でも認められることがあります。良性であるため、身体のほかの部分に広がることも、生命を脅かすこともありません。

診断
触診・乳房撮影(マンモグラフィー)・乳房超音波検査(エコー)の所見と、細胞診または組織診で診断されます。

治療
良性疾患であり、多くの場合は経過観察のみで治療の必要はありません。しかし3cmを超えて急に大きくなっていく場合は、
・悪性腫瘍が混在している危険がある←葉状腫瘍(10%程度は癌)
・乳房につける傷が大きくなる
の理由から摘出することが勧められます。
手術(しこりの摘出)は局所麻酔で行い、しこりとおなじくらいの傷がつきます。(3cmのしこりの場合は3cmくらい)。

自己検診
1ヶ月に1回大きさをチェックしてください。大きさが変わらなければ心配いりません。急速に大きくなってきた場合や3cmを超えた場合は再診してください。

乳腺症

30代から40代の女性に多い良性の乳腺疾患です。女性ホルモンの影響による正常な乳腺の生理的な変化とも考えられます。乳腺が張る、痛いといった症状の方の多くは、乳腺症と診断されます。

原因
乳腺の増殖性変化と退縮性変化とがまじりあってみられるもので、女性ホルモンがバランスを崩したことが原因と考えられます。

症状
乳腺のしこり、痛み、硬さ、乳頭分泌などの症状がみられます。月経前に症状が強くなり、月経後は軽快することも多く見られます。

経過
月経がなくなる50歳くらいになると、自然と症状がなくなっていくことが普通です。

治療
乳腺症とは病気ではなく、正常の変化の少し強い状態なので、特に治療の必要はありません。痛みが長く続く場合は痛み止めを内服します。それでも症状が強い場合はホルモン治療を行う場合があります。

注意点
乳腺症は乳がんの原因となることはほとんどありませんが、乳がんを発見しにくい場合があるので、1年に1回の地域や会社などでの乳がん検診を受けてください。

(via:独立行政法人国立病院機構九州がんセンター 乳腺科 資料)

ヒルルっていうガン予防情報サイトの、ドクターが質問に答えるコーナーに興味深い記事があるので、しこりでひっかかる人は読んでみるといいかも。

おっぱいのしこり、良性か悪性か・・・・(1/2)
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